ページ数が少なくて結構あっとゆーまに読めました。
内容は、不登校の中学生の女の子が、学校をお休みして、田舎のおばあちゃんの家で自然に囲まれゆっくりとした生活を始めるお話。
たまたま目についた本ですが、主人公がうちの娘とほぼ同じ歳。そして不登校。
何か御縁を感じました。
おばあちゃんは元々外国に住んでいたので、舞台は日本ですが、外国の田舎のような丁寧な暮らしぶり。
庭に育った植物や飼っている鶏の卵を使った美味しそうなお料理やお菓子を一緒に作ったり、
自然がいっぱいのお庭を散策したり、
とても癒やされる描写がこちらも心地良い。
タイトルの「魔女」とはおばあちゃんのおうちは代々不思議な能力を持っている家系だという。
人によってその能力は様々だが、主人公の女の子もおばあちゃんの血を引いているので、魔女になる素質はあるはずと考えた。
おばあちゃんから魔女になるには修行が必要だと言われ、修行を始めることに。
その修行というのは、特段変わったことではなく、早寝早起きをし、おばあちゃんと一緒に家事をし、散歩をし、勉強や読書の時間を持つこと。
その每日の繰り返し。
おばあちゃんと規則正しい生活を送るうちに、自然と今まで乱れていた生活習慣が正され、余計な物のない環境が五感を働かせて感情が豊かになっているようでした。
私があぁやっぱりなと思ったのは、魔女になる修行との名目のもと、学校に行く行かないにかかわらず、規則正しい生活と刺激がありすぎる現代の環境から距離を置くことって、人として生きるうえで必要なことだと思うなぁということ。
女の子は休養を終え、お父さんお母さんの元に帰ります。
転校し、学校に通えるようになる主人公。
おばあちゃんの存在も薄れ気味になった頃、おばあちゃんが亡くなったとの知らせを聞き、おばあちゃんにお礼など諸々話たいことがあったり、後悔があったりするわけですが。
タイトルは刺激的ですが、内容はとてもとても穏やか。
刺激に疲れた時、時間の流れをゆっくり感じられる心地よさのある一冊です。